Flask開発環境の構築 – Windows/Mac対応
2025-12-02はじめに
FlaskはPythonでWebアプリケーションを開発するための軽量で柔軟なフレームワークです。今回は、WindowsとMacの両方でFlask開発環境を構築する方法を詳細に解説します。
環境構築の前に
必要なもの
- Python 3.7以上(Windows/Mac両対応)
- テキストエディタ(VSCode, Sublime Text, PyCharmなど)
- ターミナル(Windows: PowerShellまたはコマンドプロンプト、Mac: ターミナル)
推奨環境
- Windows 10/11 または macOS 10.15以上
- Python 3.8以上
Pythonの確認とインストール
WindowsでのPython確認方法
- PowerShellを開く
- Windowsキー + R → 「powershell」と入力 → Enter
- Pythonのバージョンを確認
python --version
または
python3 --version
- Pythonがインストールされていない場合
- Python公式サイトからインストーラーをダウンロード
- インストール時に「Add Python to PATH」に必ずチェックを入れる
MacでのPython確認方法
- ターミナルを開く
- Command + Space → 「terminal」と入力 → Enter
- Pythonのバージョンを確認
python3 --version
- Pythonがインストールされていない場合
- Homebrewを使用(推奨):
bash /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)" brew install python - または公式インストーラーからインストール
仮想環境の設定
仮想環境は、プロジェクトごとに独立したPython環境を作成するための重要な機能です。これにより、異なるプロジェクトで異なるバージョンのパッケージを使用できるようになります。
仮想環境の重要性
- プロジェクト間の依存関係の衝突を防ぐ
- クリーンな開発環境の維持
- 本番環境との一致性を確保
Windowsでの仮想環境設定
- プロジェクトディレクトリの作成
# デスクトップにプロジェクトフォルダを作成
cd Desktop
mkdir myflaskapp
cd myflaskapp
- 仮想環境の作成
python -m venv venv
または
python3 -m venv venv
- 仮想環境の有効化
.\venv\Scripts\activate
成功すると、プロンプトの先頭に (venv) と表示されます。
Macでの仮想環境設定
- プロジェクトディレクトリの作成
# デスクトップにプロジェクトフォルダを作成
cd ~/Desktop
mkdir myflaskapp
cd myflaskapp
- 仮想環境の作成
python3 -m venv venv
- 仮想環境の有効化
source venv/bin/activate
成功すると、プロンプトの先頭に (venv) と表示されます。
仮想環境の無効化と再アクティベート
無効化(Windows/Mac共通):
deactivate
再アクティベート:
- Windows:
.\venv\Scripts\activate - Mac:
source venv/bin/activate
Flaskのインストール
仮想環境を有効にした状態で、Flaskをインストールします。
pipのアップグレード(推奨)
まず、pipを最新バージョンにアップグレードします。
# Windows/Mac共通
python -m pip install --upgrade pip
Flaskのインストール
# Windows/Mac共通
pip install flask
インストール確認
# インストールされたパッケージの確認
pip list
Flaskがリストに表示されていれば成功です。
プロジェクト構成の作成
適切なプロジェクト構成は、後の開発をスムーズにします。以下の構造を推奨します。
myflaskapp/
│
├── venv/ # 仮想環境(自動生成)
├── app.py # メインアプリケーションファイル
├── requirements.txt # 依存パッケージリスト
└── static/ # 静的ファイル(CSS, JS, 画像)
├── css/
├── js/
└── images/
ディレクトリ作成
Windows (PowerShell):
mkdir static, static\css, static\js, static\images
Mac (Terminal):
mkdir -p static/{css,js,images}
最初の「Hello World」アプリケーション
それでは、最初のFlaskアプリケーションを作成しましょう。
app.pyの作成
プロジェクトルートディレクトリに app.py ファイルを作成し、以下のコードを記述します。
# Flaskモジュールのインポート
from flask import Flask
# Flaskアプリケーションのインスタンスを作成
app = Flask(__name__)
# ルートURL('/')にアクセスしたときの処理を定義
@app.route('/')
def hello_world():
return 'Hello, World!'
# アプリケーションの実行
if __name__ == '__main__':
app.run(debug=True)
コードの詳細解説
- インポート文
from flask import Flask
Flaskクラスをインポートします。これがすべてのFlaskアプリケーションの基礎となります。
- アプリケーションインスタンスの作成
app = Flask(__name__)
__name__は現在のPythonモジュールの名前です。
Flaskはこの情報を使ってテンプレートや静的ファイルのパスを見つけます。
- ルートの定義
@app.route('/')
デコレータ(@で始まる)を使用してURLルートを関数に関連付けます。'/'はWebサイトのルートURL(例: http://localhost:5000/)を表します。
- ビュー関数
def hello_world():
return 'Hello, World!'
この関数は指定されたルートにアクセスがあったときに実行されます。
戻り値がブラウザに表示されます。
- アプリケーションの実行
if __name__ == '__main__':
app.run(debug=True)
スクリプトが直接実行されたときのみアプリケーションを起動します。debug=Trueは開発中に便利なデバッグ情報を有効にします。
アプリケーションの実行
実行方法
仮想環境が有効な状態で、以下のコマンドを実行します。
# Windows/Mac共通
python app.py
または
# Macでpython3を使用する場合
python3 app.py
実行結果の確認
ターミナルに以下のようなメッセージが表示されます。
* Serving Flask app 'app'
* Debug mode: on
* Running on http://127.0.0.1:5000
Press CTRL+C to quit
ブラウザでの確認
- Webブラウザを開く
- アドレスバーに
http://127.0.0.1:5000またはhttp://localhost:5000と入力 - 「Hello, World!」と表示されれば成功!
開発のベストプラクティス
1. 環境変数の使用
敏感な情報(シークレットキーなど)は環境変数として管理しましょう。
Windows (PowerShell):
$env:FLASK_APP = "app.py"
$env:FLASK_ENV = "development"
Mac (Terminal):
export FLASK_APP=app.py
export FLASK_ENV=development
2. 依存関係の管理
プロジェクトの依存関係をファイルに保存します。
# 現在の環境のパッケージを保存
pip freeze > requirements.txt
requirements.txtの例:
Flask==2.3.3
Werkzeug==2.3.7
Jinja2==3.1.2
他の環境でインストールする場合です。
pip install -r requirements.txt
3. .gitignoreの作成
Gitを使用する場合は、仮想環境をリポジトリに含めないようにします。
.gitignoreファイル:
venv/
__pycache__/
*.pyc
.env
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
- 「コマンドが見つかりません」エラー
- 仮想環境が正しく有効化されているか確認
- Pythonとpipのパスが正しく設定されているか確認
- 「Address already in use」エラー
# 別のポートで実行
app.run(debug=True, port=5001)
- 変更が反映されない
- デバッグモードが有効か確認
- サーバーを再起動
デバッグモードの利点
- 自動リロード:コード変更時にサーバーが自動再起動
- デバッガ:エラー時にブラウザで詳細なエラー情報を表示
- 開発中の必須機能
まとめ
この記事では、WindowsとMacの両方でFlask開発環境を構築する方法を詳細に説明しました。仮想環境の設定から最初の「Hello World」アプリケーションの作成まで、段階的に進めることで、確実な環境構築ができるようになりました。
開発環境の構築はプログラミングの第一歩であり、適切に設定された環境はその後の開発効率に大きく影響します。この基礎をしっかりと理解し、Flaskを使ったWeb開発の世界への第一歩を踏み出してください。